寛永雛の布

もともと「寛永雛」は、20年ほど前に東京の西武百貨店で発売したのが最初で、赤い毛せんの上に雛人形の形や大きさはほとんど同じものを販売していました。
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西武百貨店に出した寛永雛のオリジナル
発表した当時は大きな反響を呼んだわけでもありませんでしたが、10年のど前から染色の清家文香さんが加わるようになって、これまで雛壇セットといえば赤い毛せんだったのが、淡いピンクや薄い赤などの色合や素材を変えた事によって
ーーー母親が子供に伝えてあげたい優しさは、布の肌触りや、色合いからも伝わるような気がする。
ーーー布の色合いを優しい色合いから、ディープでドッシリした色まで揃えることで、お母さんに雛人形セットに参加できる余地を残し、自分で選んでコーディネイト出来るようにしてみた。
このことが、お母様方の心に届いたのでのではないかと思います。
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清家文香さんが染めて花を手描き彩色した絹地
そのために私たちは京都から日本海側の丹後地方(天の橋立で有名な所)までレンタカーを借りて、一軒一軒絹織物を織っている工場を訪ねて布地選びから始めました。
幸い思っていた布地を探し出す事が出来、今度は布の生地や織り方によって染め方を清家文香が変えて、いくつもの染めサンプルを作り、工房の意見などを聞きながら、10種類ほどの見本を作り上げました。
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染め上げて完成した雛壇用の敷き布
布は全て無地のものを1反単位で購入し、これを布地ごとに染め分けて、いったん保管しておきます。そして、秋から冬になってお客様からオーダーが入ってくると、染めておいた布地に手描きで桜の花や藤の花などを、布地とのバランスを考えながら描いて行きます。これについては清家文香さんのブログでもっと詳しく書いてくれますからそこを読んで下さい。

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集めた布地を元にサンプルを作っています。
そして、ようやく6~8種類の雛人形セット用の敷き布が完成しました20101209_1684610
寛永雛セット・桜の花びらの布(A)です。
みかわ工房清家文香の布は、これで完成したわけでもなく雛人形と共に日々進化し続けています。お母様やお祖母様に本当に気にいって頂き、次の世代のお子様へ受け継がれていくものを、日々努力して作っていきたいと思っています。寛永雛のホームページへ

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