田中一村に感動

予定通り、朝の7時に大分を車で出発。国道、高速道を延々5時間半運転して、ようやくお昼過ぎに鹿児島市に到着。20101209_1685596
「篤姫」のドラマで何回も登場した桜島が、高速を下りるといきなり眼前に現れます。それも鹿児島市内のどこに行っても、見えるのですから桜島は、鹿児島の人にとって大きな存在です。
田中一村の展覧会をやっている鹿児島市立美術館は、正面に桜島、背後に西郷さんが最後までこもった城山の麓にありました。
館内に入って今回の作品数の多さにびっくり、館内の1階と2階の2スペース。計3フロアーを使っての大々的な展示がされています。
20101209_1685592 7才の頃の絵
資料によると、一村は、栃木の彫刻家の家に生まれたらしく、子供の頃から才能を放っており「神童」とさえ呼ばれて、親は一村が5歳の時に栃木から東京に移り住んでいるようです。
20101209_1685593東京での絵24才の頃
東京に行ってもその才能は衰える事がなく、東京美術学校の日本画に入学しますが、わずか2ヶ月でやめています。しかし絵の方はますます活気をおびて野の花や鳥などを盛んに描いていますが、2人の弟や父を亡くして、一家は母方の親戚の住む千葉に移り住み、ここでの制作が始まります。そして、制作の中心は、鳥や植物の観察に深く入ってゆき、多くの絵を制作しています。
20101209_1685594 千葉の農村で制作した作品
40才になった田中一村は、中央の展覧会に何度も出品しますが、その多くが落選し、50才になって奄美大島に行く事を決意し、それからの20年間は、中央の動きに左右される事がなく、一労働者として働きながら、小さな小屋をアトリエとして最後の光を放つようにしてすばらしい作品を残しています。
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一村最晩年の「草花と蝶と蛾」
最後に奄美で描いた作品を展示している美術館の部屋は、薄暗く狭い部屋にもかかわらず、ものすごい情熱の熱気を感じる作品で埋め尽くされ、近年感じた事のない感動を受けました。
現在、その時に購入した田中一村の画集を見ながら、その足跡をたどり再度作品を思い出しています。皆さんもお時間のある方は、是非鹿児島まで行ってみて下さい。このような大規模な企画展は今後無いかもしれません。鹿児島市立美術館で平成22年10月5日(火) ~11月7日(日) 【休館日 10月12日(火)・18日(月)・25日(月)】 までです。

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