羽子板の下絵について

下の絵は、源氏物語絵巻羽子板の「花宴」を描き始めている写真です。うっすらと直線を引いているベージュの線が見えるでしょうか。これが羽子板の金箔仕上げの上に直接描いていく際の几帳や御簾、人物の配置の目安になります。
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少しだけ羽子板の角度を変えてみると、こうして先ほどの下絵の配置した位置に人物や几帳を描いているのがお分かりと思います。私の羽子板は、押し絵羽子板と違って1枚1枚が上下の雲形(くもの形)も違っていますから、上下の雲形の間に描く物語も時として配置や、バランスを考えなければなりません。実はそれが絵描きにとっての楽しみでもありますけど、、、
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今日も、2つの羽子板の注文をお受けして、こうして一枚一枚にその羽子板に合わせて、大きさのバランス、配置具合を見ながら進めています。
その中で、この羽子板の注文の方は、お子様が誕生した7月に、咲いていたピンク色のサルスベリ(百日紅)を画面の一部に入れて欲しい。直前になってメールが来ましたので、この写真を元に羽子板の画面に反映しようと思っています。
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百日紅の花は、先日まで飼っていた甲斐犬の散歩のときに、公園の中で見ていたような気がします。(先日病気で亡くなりました。)
インターネット時代がもたらした物として、このように依頼者と制作者が言葉や、写真でダイレクトに話し合えることってすばらしいですね。20121207_259137

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