いつもなら貝合わせを作るに当たっては、ハマグリの内側に下地を塗ってその上から胡粉といって貝の粉を接着剤と混ぜて塗り、すべすべになった上から金箔仕上げをすることが多いのですが、今回はこの貝の粉の白地の上に直接線書きしてみることにしました。
画題は、枕草子絵詞といって白描絵巻の物語から絵になりそうな場面を幾つか取り上げて巻いてみました。
上下の雲形は金箔仕上げにしています。
物語によっては、貝を横にしたのではとらえにくい画面が出てくるので、縦画面にしたりして表現しています。
これを白描絵巻のままにするか、色彩を付けるかに関してはこの段階では決めていません。
雪遊びのシーンですが、どんな色彩にしたらいいでしょうか。迷うところです。
このように、貝合わせは、同じ絵柄を描くにしても、はがきのように決まった画面があるはかでもなく、画面も凹んでいますからこの中に奥行きらしく描くのは、それなりに工夫がいるところです