雛祭りも近くなってきた2月になって、東海地方の方から「昨年生まれた妹に貝桶に入った貝合わせが欲しい」という要望がありました。
電話でお聞きすると「上にお姉ちゃんがいて雛人形は持っているから、妹には貝合わせが良いかと、、、」というお話を聞きましたが、私は「将来お雛様は持ってもいけないけど、きっと貝合わせは姉妹で奪い合いになりますよ」と話して「とりあえず一人が3組の貝合わせを貝桶に入れて購入して、時が来たらまた追加するのでどうでしょうか」という提案をして、2つの貝桶と3組×2=6組の貝合わせを作る事にしました。
これが完成した1組の貝合わせセットで、ピンクに染めた巾着の中に、源氏物語の紫の上をメインにした貝合わせを6〜7cmのハマグリに手書きしています。
これが貝桶で、福岡の木工家に桧で作ってもらった縦横13cmの精巧な8角形の木箱に、私が金箔仕上げの扇に季節の花を手描きしています。
桧を8枚継ぎ合わせて作った職人技が光る貝桶です。
そして、今朝送ってきた依頼者様からの歓びの写真です。
このうれしそうな顔を見ると、女の子が平安の昔から貝合わせに夢を馳せていた様子がうかがえてきます。