羽子板を手作りすること

下の写真が、みかわ工房で私が作っている手描き彩色の羽子板です。写真中の右側にあるのが、京都冷泉家が所有する羽子板で、私はこのような「京風羽子板」 「左義長羽子板」を基にしています。このような羽子板は、江戸時代には大名家や公家などの間に於いて贈り物として作らせたものが多いようです。

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上の写真を拡大したものです。羽子板の上方には葵のご紋があったり、その下地には亀の模様の亀甲文様などが付けられています。そして、真ん中の部分には、多くは源氏物語などの物語絵図が描かれています。
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私もそれに習って、源氏物語や「紫式部日記」などの絵から子供の初節句にふさわしいような絵柄を描くようにしています。
ただ、春は雛祭りも終わって次の年に備えてみかわ工房でも、羽子板の下地となる木地作りから始めます。
あらかじめ羽子板の形に切ってもらっている木地を、グラインダーやサンダーなどで柔らかいカーブになるように丁寧に削ります。
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これが、削り終えた羽子板です。四角い羽子板がずいぶん柔らかくなりました。ただ、この上には直接絵を描いても水を吸ってしまうので、表面に下地処理をしなければなりません。
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これが、下地を何回か行って、冷泉家の羽子板にあったような文様を付けて行きます。
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それからしばらく羽子板を乾燥させてから、いよいよ表面に金箔を全面に張ります。これが私にとっては一番神経を使う作業で、1枚の羽子板に金沢から取り寄せた4合金の金箔を2枚張って、しばらく乾燥させます。
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そして、これが金箔仕上げが終わった羽子板です。この状態で秋の注文が来るまで、しばらくの間仕舞っておきます。
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そして、秋に注文がくると、こうして金箔仕上げの上にご依頼の絵を描く作業が始まります。ここで大事になってくるのは、単に源氏物語の絵を描き写すのではなく、これに込めた依頼者の思いを感じとりながら、隅々に神経を払い「いいものを贈ろう」という心意気が大事だろうと思います。これは江戸の昔から同じ思いが受け継がれてきていると思います。
SANYO DIGITAL CAMERA
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